僕たちと少年少女。
君と私の価値観
著:笹川 志麻
「今、私は生きている。」
北風が強い。風の音がよく聞こえるビルの屋上。
目の前に広がるのは、無数の光。
無数のオフィスの光、無数の家の光、無数の生活網の光。無数の光がとても明るい。賑やかに見える。でも、私にはは聞こえない。無数の人間が暮らす光が見えている。それなのに聞こえない、風の音しか。
「寂しい」
子供の頃はこんな時、「きれい」という様な簡単な感想が出てきたはずなのに。今はもう「寂しい」としか思えなくなっていた。
最近、こういう所、いわゆる絶景スポットとでもいうのだろうか。そういう所には行きたいと思わなくなった。だって、こういう所に行ったとしても、「寂しい」としか感じないからだ。
なぜだろう。こう思うのは。今がただ辛いと思っているからだろうか。
いや、違う。きっと大人になってしまったからだろう。
私は昔いじめにあってしまったことが何度かある。その時、いつも優しい先生達や主任の先生が言った事、「彼ら/彼女らはまだ子供なんだよ。きっと笹川君が周りより大人なんだよ。子供で幼稚な奴なんてあいてにしなくていい。」
別に私は大人ではない。まだ学生で、趣味である家事だって少ししかできない。寝坊だってするし、宿題も忘れる。テストだって赤点や青点取って留年ギリギリなんてこともある。あと人間関係も良くない。コミュ障だし、友達2人か3人しかいないし。
私はまだ「大人」と言って貰えるほど、器用な人間じゃない。
なんでだろう。ただ、日々懸命に生きているだけなのに。
(試し読み部分は終了です。続きは新作公開までお待ちください)